色覚異常の見え方って?学校や日常生活で困ることと注意点。
子どもの色覚異常がわかって学校や日常生活で困ったこと。
幼い頃から「独特の色の表現の仕方をするな」「独特の色遣いをするな」とは思っていましたが、まさか色覚異常があるとは思ってもいませんでした。
ある日のできごとで色覚異常だとはっきりと疑いを持ちました。
検査を受けたのはすでに小5のとき。それまではやりづらいことはありながらも、そこまで学校生活で困ることはなかったようです。本人にしてみれば、生まれてからずっとその見え方なので、他の人と違うといわれても、どう違うかはわかりません。
本人の中の色の認識と他人の色の認識は違います。
本人には、どのように世界が見えているのか、共有できないのがもどかしいです。
色覚異常とは
色覚異常は遺伝です。日本では男性の約5%、女性の約0.2%に色覚異常が見られます。男性の割合の方が高く、男子20人のクラスだとクラスに1人は色覚異常を持っている生徒がいることになります。
母に確認してみると私の祖父が色覚異常だったようです。私が色覚異常遺伝子の保有者です。私自身、黒と紺の見分けがつきません。服を買うときは必ずタグをみるか店員さんに聞いて色の確認をします。それも関係があるのでしょうか。
保護者の方は小学生の時に色覚検査を受けた方もいらっしゃると思います。私も受けました。丸い円の中に浮かび上がる絵や数字を答える問題です。2003年(平成15年)に学校での色覚検査は廃止されました。廃止された理由は、色覚検査で色覚異常が発覚したことで差別や不利益を被る生徒がいたからとされています。
色覚異常には種類があります。赤・緑・青の色を認識する錐体がすべて働いていない場合、いずれか一つ、もしくは二つが働いていない場合などです。完全に働いていない場合と働きが弱い場合があります。
色覚異常の種類や錐体の働きの程度によって見え方は異なります。
子どもが色覚異常かもと思ったきっかけのできごと
子どもが小さいころから、色の表現の仕方で「ん?」と思うことが度々ありました。
深めの青や紺色のことを「紫色」と表現していました。
でも幼いために、言葉の表現が拙いせいだと思っていました。
そして好む色の特徴として、ぱっきりとした青と黄色ばかりを好む傾向にありました。
徹底的に「色覚異常かも?」と疑ったきっかけは、「緑色を茶色」と表現したこと、「淡い青の水筒を見て、こんな女の子みたいなピンク色は嫌だ」と泣いたことです。
緑も茶色もカーキと表現する人はいるので、緑と茶色の間違いのときは微妙かなと思ったのですが、子どものリクエストで買ってきた青の水筒をピンクと表現したのが決定的でした。
淡い青で水色に近い色だったため、ピンク色に見えたようです。
色覚検査を受けた結果。
近くの眼科に色覚検査を受けたいと受診しました。「石原色覚検査表」を受けました。
結果は「色覚異常はあります。将来なれない職業はいくつかあるけれどもそれだけだから気にしなくてもよい。」と言われました。それから「色覚が治るという眼鏡は嘘だから絶対買うな」と忠告されました。
「色覚異常がある。気にするな。」と言われてもなんだか納得がいかず、ネットで「色覚異常で学校生活において困ること」について調べました。
色覚異常で学校生活において困ること
・緑色の黒板に赤のチョークの文字は見えにくい
・地図帳やグラフの色の違いが分かりにくい
・理科の実験の色の変化がほかの人と色の表現が違う
・図工などの創作活動での色のチョイスが独特
・体育のときビブスの色で見方か敵かの判断が難しい
・体育館のコートのラインの色が見えにくい
・信号の赤と緑の区別がつきにくい
子どもに直接、学校で困っていることについて聞いてみると、
・黒板の赤のチョークで書いた文字はなんて書いてあるか見えにくい。(子どもは赤のチョークを水色で書かれると見えにくいと表現しました。)
・地図の等高線がカラーだと境目がよくわからない
ぐらいだと言いました。
理科の実験の色は「先生が口頭で表現する色で覚えているから問題ない」そうです。「図工で色を指定されたときは絵の具や色鉛筆に色名が書いてあるからそれを見て使っている」と言いました。
信号の赤と緑は位置で覚えているそうです。
色覚異常の見え方で困ること、注意していること
・肉が焼けたか判断ができない
赤と茶色の区別がつかないので、生の肉が焼けたという変化がわかりません。
焼き肉のときは自分では焼けたかどうかわからないので、しっかり他の人に焼いてもらわなければなりません。
・「○○色の方をとって」など色で言われてもわからない
赤、緑、茶色の区別がつかないので、同じような色のものが並んでいる時に、「赤色のとって」と言うと「どれ?」となります。色ではなく他の特徴で表現をするようにしています。
中学校に入ってから、もう一度、別の眼科で詳しく色覚異常テストを受けました。
そのときのことは別記事で書きたいと思います。